なんだか最近、「がんばってるのに報われない」と感じていませんか?
努力して、成果を出して、評価されて、幸せになれる──そんな方程式が、どこかで崩れている気がする。
それはあなただけではありません。社会全体が“正しそうに見えてズレたゲーム”を続けているのです。
今回ご紹介するのは、独立研究家・山口周さんの『人生の経営戦略』。
この本が教えてくれるのは、「がんばり方」ではなく、「戦うフィールドをどう選ぶか」。
つまり、パフォーマンスを上げる前に、“そもそもこのゲーム、勝ち筋ありますか?”と問い直すこと。
モヤモヤしているあなたの頭と心に、やさしく火を灯す一冊。
この記事では、そのエッセンスをかみ砕いてお伝えします。
さて、あなたは今、どんな「劇」の中で、どんな「役」を演じていますか?
世界は「劇場」、私たちは「配役」──まずはゲームを見抜こう

あなたが演じている「役」は誰が決めたのか?
「ねえ、あなたはどんな役を演じている?」
……なんて突然聞かれたら、戸惑ってしまいますよね。でも、ふと立ち止まって考えてみてください。
毎日、私たちは“何かの役”を演じています。
・会社では「部下思いの管理職」
・家庭では「気配り上手なパートナー」
・地域では「真面目な大人」
でも、それって本当に自分で選んだ役でしょうか?
もしかすると、「期待されているから」「そう振る舞うのが当たり前だから」…と、気づかぬうちに“誰かが書いたシナリオ”の中で、生きているのかもしれません。
シナリオは他人任せ、それでもいいの?
たとえば、進学校で優等生だったAくん。親や先生から「将来は医者になりなさい」と言われ続け、無事に医学部へ。ところが、働き始めてから「これ…本当に自分がやりたかったこと?」と違和感を覚え、数年で退職。今は、農業をしながら自然の中で暮らしています。
Aくんが違和感を持ったのは、「配役」が他人に決められたものだったから。
シナリオは誰かに任せるものではありません。
自分の人生の主役は、あなたです。
ならば、台本だって、自分で書いていいはずです
「いい役」じゃなくても「いい人生」は作れる
世間では「いい会社に入る」「稼ぐ」「有名になる」ことが、まるで“主役の証”のように扱われます。でも、ちょっと待って。それって本当に“自分にとっての主役”なんでしょうか?
たとえば、脇役でチラッとしか出ない俳優さんが、観客の心をグッと掴んでしまう。そんな映画、見たことありませんか?
大切なのは、「誰かが決めた“良い役”」を手に入れることではなく、自分の役をどう演じるか、です。
「端役」でも物語は変えられる
ある町の市役所で働くBさん。派手な仕事ではありませんが、町の人と丁寧に向き合い、小さな改善をコツコツ重ねてきました。ある日、Bさんのアイデアで生まれた「子ども見守りプロジェクト」が、県全体に広がり大成功!
スポットライトが当たらない“端役”でも、物語に大きなインパクトを与えることができるんです。
あなたの「今いる場所」や「与えられた役割」がどんなに小さく見えても、それを“自分なり”に演じることで、世界を変える一歩になるかもしれません。
劇場の外には“別の脚本”がある
ここで大事なことをもうひとつ。
そもそも、私たちが「この劇しかない」と思い込んでいるステージの外には、別の劇場があるかもしれません。
たとえば会社員から農家へ、広告業界から研究家へ、都市から地方へ。
人生のステージチェンジをした人たちは、みんな“外の脚本”に気づいた人たちです。
ゲームのルールも、舞台も、変えていい。
今の劇場に違和感を持っているなら──
そっと、その外側を覗いてみてください。
戦略とは「勝ち方のデザイン」──努力よりも「フィールド選び」

人生には“勝てるゲーム”と“勝てないゲーム”がある
「がんばれば報われる」──本当にそうでしょうか?
現実には、「どれだけ努力しても勝てないゲーム」が存在します。たとえば、身長が160cmの人がNBAで活躍しようと本気で頑張っても、確率は限りなくゼロに近い。逆に、同じ身長でも、コピーライターとしてなら世界を変える一行を書けるかもしれません。
これは単に「向き・不向き」の話ではありません。
人生には、“勝てるゲーム”と“勝てないゲーム”があるんです。
では、あなたは今、どんなゲームをプレイしていますか?
戦略の第一歩は「勝利条件」を見抜くこと
たとえば、ビジネスの世界を見てみましょう。
- ファッション業界:流行を読む感性が勝敗を分ける
- 製造業:品質とコストの両立がキモ
- IT業界:スピードとスケーラビリティが命
つまり、業界ごとにゲームのルール(勝利条件)が違うんです。
戦略を立てるうえで、まずやるべきことは「このゲームは何をすれば勝ちなのか?」を知ること。
逆に言えば、そこが見えていなければ、どれだけ努力しても、間違った方向に全力疾走するだけ──。
あなたが今いる場所。
その「勝ちパターン」は見えていますか?
パフォーマンスを上げても、ゲームに負けてたら意味がない
ここで、少しドキッとする質問を。
「あなたがいま全力を注いでいるその努力、本当に“勝ちにつながって”いますか?」
たとえば──
- どれだけ残業しても、評価されない職場
- 資格を取っても、報酬が変わらない働き方
- 人間関係に気を使っても、感謝も信頼も得られない環境
これらはすべて、「報われないゲーム」で戦っている状態。
つまり、パフォーマンスを上げることと、ゲームに勝つことは、別モノなんです。
「戦っても報われない場所」で戦っていませんか?
ある中小企業で働いていたCさん。毎日夜遅くまで働き、会社の利益にも大きく貢献。でも、昇給はわずか。評価も曖昧。
「この努力、意味あるのかな?」と疑問を持ち、思いきって転職。
次に選んだのは、同じ業界でも成果が正当に評価される会社。数年後、年収は倍に。時間的な余裕も生まれました。
Cさんの変化は、スキルではなく“フィールド”を変えたこと。
あなたの「勝てない理由」は、努力不足ではなく「戦う場所」が合っていないだけかもしれません。
勝てる場所に“ずらす”勇気──ブルーオーシャン戦略
多くの人がやっているから。
評価されているから。
安定しているから。
──そんな理由で選んだ道が、実は「レッドオーシャン(競争の激しい海)」だったとしたら?
そこで戦うより、「誰もまだ気づいていない、自分だけの場所」にポジションをずらすこと。それが、ブルーオーシャン戦略です。
たとえば──
- 音楽好き × プログラミング → 音楽系アプリ開発
- お菓子作り × SNS発信 → スイーツ×ブランディング
- 工場勤務 × 安全衛生の知見 → セーフティ指導者育成の道
「自分の強み」と「人が気づいていないニーズ」を組み合わせれば、競争の少ない“勝てる海”が見えてきます。
☑ どんなゲームで勝ちたいのか?
☑ 今のゲームの“勝利条件”は何か?
☑ そのゲームで、本当に勝てる自信があるか?
☑ もし勝てないなら、場所をずらす勇気はあるか?
人生は、戦略ゲーム。
でもそのゲーム盤は、あなたが選んでいいんです。
次のターンで、どんな一手を打ちますか?
今の場所で「勝てる気がしない」なら──
まずは「違う場所にコマを置く」ことから始めてみませんか?
「持続的な幸せ」のための3つの戦略思考

「今のままで、ほんとうに幸せが続くのかな?」
そんな不安を感じたことはありませんか?
大切なのは、“瞬間の充足”ではなく、“人生全体を見通した戦略”を持つこと。
ここでは、山口周さんが説く「持続可能な幸せ」を手にするための3つの戦略思考をご紹介します。
賞味現在価値(NPV)で考える人生設計
「NPVって、投資の話でしょ?」と思ったあなた。たしかにこれは経済用語ですが、人生にもばっちり応用できます。
NPV=将来得られる価値を、今の価値で考えること。
つまり、「今ちょっと大変でも、将来的にリターンが大きいならやってみよう!」という発想です。
短期的な快楽より、長期的なリターンを
たとえば──
- 「今日は疲れたからYouTubeでゴロゴロ」
- 「今日は疲れたけど、英語の勉強を30分だけやろう」
どちらも“今日”の選択ですが、3年後のあなたに与える影響は、まるで違いますよね。
NPV思考では、目先の快楽に流されず「未来の自分をラクにする行動はどっち?」と問いかけます。
ポイントは、「未来の自分に株主目線を持たせる」こと。
投資的に時間やお金を使う癖がつけば、人生の“資産価値”はどんどん上がっていきます。
絶対優位戦略──他人と比べない、自分の土俵
「すごい人が多すぎて、自信をなくす…」
そんなふうに思うこと、ありませんか?
でも、ちょっと待って。
戦う土俵が違えば、“勝ち方”も変わります。
努力が“報われやすい”場所に立つ
絶対優位とは、「他人より上手くやれること」を探すのではなく、
「自分が努力できて、結果に繋がりやすい場所を選ぶ」こと。
たとえば──
- プレゼンが苦手でも、文章では自分を表現できる人は、SNS発信やブログで活躍できる。
- チーム競技が苦手でも、ひとりでコツコツ型の副業(イラスト、ライティング、動画編集)なら力を発揮できる。
「努力が足りない」のではなく、「向いてないフィールドで頑張っている」ことに気づけると、一気に楽になります。
比べるべきは、他人ではなく「昨日の自分」。
“自分だけの勝てる土俵”を見つけた人は、静かに強くなっていきます。
成功依存を断ち切る──引き際の戦略
最後はちょっとドキッとする話。「成功への執着」、していませんか?
成功を収めた人ほど、そのポジションを手放すのが怖くなります。
でも実は、ここに“幸せの落とし穴”があるのです。
「主役の座」に執着すると、退場のタイミングを逃す
たとえば、40〜50代の第一線で活躍していた人が、世代交代や環境変化に適応できず、
いつまでも「前と同じやり方」で頑張ってしまい、逆に苦しくなる…。
そんなケース、見たことありませんか?
大切なのは、「いつ、どのように引き際を迎えるか」という戦略。
- 次の世代にバトンを渡す
- 別の舞台に立つ準備をする
- 評価される場所から、自分を喜ばせる場所へ移る
「今の自分」は、過去の延長線ではなく、未来への選択肢のひとつ。
“成功していた過去”にしがみつかず、“これからの幸せ”に向けて動く勇気が、あなたをもっと自由にします。
ライスワーク×ライフワーク──“やりたい”が“食える”になるまで

「このまま一生、やりたくない仕事を続けるの…?」
「好きなことで生きていけたらなぁ…」
そんなふうに、心のどこかでつぶやいたことはありませんか?
でも、現実は“お金を稼がなきゃ生きていけない”。
だからこそ大切なのは、「ライスワーク」と「ライフワーク」のバランス。
ここでは、“魂が喜ぶ仕事”を現実に変えていくヒントをお届けします🍀
「食うための仕事」と「魂が喜ぶ仕事」のバランス
ライスワークとは、生活のために働く“食う仕事”。
ライフワークとは、自分の情熱や喜びを感じる“生きる仕事”。
理想は、これが一致している状態だけど──
いきなり100%ライフワークで生計を立てるのは、正直ハードルが高い。
最初は5%でいい、ライフワークを持とう
たとえば…
- 平日は会社員、週末はカフェ巡りとブログ執筆
- 子育ての合間にイラストやハンドメイド作品をコツコツ制作
- 営業職のかたわら、地域イベントの企画に関わってみる
これらはすべて「5%のライフワーク」です。
ポイントは、「お金になるかどうか」よりも、「自分の心がワクワクするかどうか」で選ぶこと。
たった5%でも、自分の時間に“彩り”が加わると、不思議と日々が変わり始めます。
やってみたいこと、ありませんか?
まずは小さく始めてみましょう♪
6年かけて“軸足”を移したリアルな方法
「でも、好きなことで食べていける人なんて、ほんの一握りでしょ?」
そんな声も聞こえてきそうですね。でも実は、少しずつ時間をかければ“軸足”を移すこともできるんです。
会社に頼らない選択肢を少しずつ増やす
実際にこんな事例があります。
Aさんは、IT企業で働く会社員。週末に「動画編集スキル」を学び、副業として小さな案件を受け始めました。最初の報酬は1本3,000円。
それでも3年間でクライアントを20社に増やし、徐々に副業収入が本業に近づき、6年目にフリーランスとして独立!
ポイントは一気に辞めるのではなく、「パラレルキャリア」で徐々に移行していったこと。
“選択肢を複数持っておくこと”が、精神的な安定にもつながります。
会社一本だけだと、何かあった時に不安が大きいですよね。
“食える力”を少しずつ増やす。
その準備は、今からでも十分間に合います。
「下手でも好きなこと」を武器にするRBV理論
「でも私、特別な才能もスキルもないし…」と感じている方へ。
ここで紹介したいのが「RBV(リソース・ベースト・ビュー)」という考え方。
RBV理論とは、「自分だけが持っている資源(Resource)を活かして勝負する」という戦略。
たとえば──
- 子育て+イラスト+SNSが好き → 絵本風の育児マンガ発信
- 田舎暮らし+写真が趣味 → 地域発信メディアの運営
- 工場勤務+DIY好き → 現場目線の修理・改善ブログ
上手じゃなくてOK。
むしろ、“あなただけの組み合わせ”こそが最大の武器になります。
「好き×得意×ニーズ」を掛け合わせることで、「やりたい」が「求められる」に変わるんです。
「好きなことでは食べていけない」というのは、もはや過去の話。
今は、好きなことを“届ける手段”が無限にあります。
さぁ、あなたはどんな“5%のライフワーク”から始めますか?
ポンコツでも、下手でも、世界は変えられる

「やっぱり自分はダメなんじゃないか…」
そんな気持ちになること、ありませんか?
でも、ちょっと待ってください。
この世界で“すごい人”じゃないと幸せになれない、なんて誰が決めたのでしょう?
ここでは、「ポンコツでもOK」「下手でもOK」──そんなあなたのままで、人生が変わっていく戦略を一緒に見ていきましょう。
「すべて手に入れたのに、幸せじゃない」その理由
たとえば──
- 大手企業に就職した
- 結婚して子どももいる
- 収入も安定している
…それでも、心のどこかが満たされない。
こういう人、意外とたくさんいます。
それはなぜか?
人生はコンプリートするものではない
ゲームでいう“全クリ”状態。
すべてのステージをクリアし、装備もスキルも揃って、エンディングを見た。
…そのあとって、けっこう退屈なんですよね(笑)
人生も同じです。
「社会的に正解とされるイベント」を次々とクリアしても、それは「他人の設計したシナリオ」をなぞったに過ぎません。
本当の幸せは、チェックリストを埋めることではなく、「毎日どんな気持ちで過ごしているか」に宿るんです。
戦略を持てば、人生の“プロセス”が楽しくなる
「自分、何をやってもうまくいかない…」
そう思ったら、こう考えてみてください。
課題=ボスキャラ?ようこそ冒険の世界へ
仕事でミスした。
部下との関係がギクシャクしてる。
副業がなかなか軌道に乗らない。
どれもつらいことだけど、「これってRPGのボス戦かも?」と見方を変えてみましょう。
目の前の課題は、“成長のチャンス”。
ボスキャラがいるってことは、次のレベルに進めるサインかもしれません。
攻略法があるなら学べばいいし、仲間を集めてもいい。
なにより──倒せなくてもいいんです。
「挑むこと」そのものに、価値があるのだから。
戦略=地図を持つこと。
方向が見えれば、道のりも少しワクワクしてきませんか?
自分の「物語」を再設計する勇気
ここまで読んで、「あれ、自分ってもしかして…間違った物語を演じてた?」と感じた方へ。
安心してください。
人生は“いつでも書き直し可能”なストーリーです。
- 今までの仕事が合わなかった
- 周囲の期待に応えすぎて疲れた
- 「本当の自分」が分からなくなってきた
全部OK。
むしろ、それに気づいた今が「物語の第2章」の始まりです📖
ペンを持つのは、あなた自身。
脚本も、演出も、キャスティングも、あなたが自由に決めていい。
たとえ“ポンコツな主人公”だったとしても、物語を変えた瞬間から、世界はカラフルに塗り替わっていきます。
まとめ|人生を“勝てるゲーム”に変えるために
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
なんだか、「ちょっと人生がワクワクしてきたかも…」と思えてきたなら、それはもう立派な第一歩です。
では最後に、今日の気づきと、明日からできるアクションをまとめてみましょう!
今日の気づき3つ
📌 世界は“劇場”、でもシナリオは自分で書いていい!
他人の期待や常識に縛られる必要はありません。主役も脇役も、配役はあなた自身が選べます。
📌 持続的な幸せは「戦略的に考える」ことで手に入る
短期の快楽ではなく、長期のリターンに目を向ける。自分の土俵で勝てる戦い方を見つけることが大切。
📌 ポンコツでも下手でもいい。「物語を再設計する勇気」が世界を変える
完璧じゃなくていい。むしろ不完全なあなたこそ、物語を面白くできる主人公です。
今すぐできる3つのアクション
✅ 5%だけ「やりたいこと」を始めてみよう
いきなり辞めなくていいし、大きな投資も不要。
ブログを書く、カメラを持って出かける、noteで思いを書いてみる──何でもOK!
✅「今やっていることは、未来のリターンにつながるか?」と問いかける
何かを選ぶとき、ちょっと立ち止まってNPV的思考をしてみよう。未来の自分が喜ぶ選択、してみませんか?
✅「向いてる場所」で戦えているかを見直す
結果が出ないのは、努力不足ではなく“戦場選びのミス”かも。
得意・好き・ニーズが交わる場所に少しずつシフトしてみましょう。
この本を読んで、「脚本を書き換える人生」を始めよう
最後に紹介したいのが、今回の記事のベースになったこの一冊👇
『人生の経営戦略』(山口周 著)
この本は、人生に戦略という“設計図”を持ちたい人にぴったりの指南書です。
自分の強みや資源の見つけ方、これからの働き方、幸せとの向き合い方──どれも読み終えたあとに「よし、やってみよう」と思える内容ばかり。
戦略を立てるとは、“人生の脚本を自分で書き換える”こと。
どんな役でも、どんな舞台でも、あなたの物語は、これから変えられます。
さあ、次はあなたの番。
カラフルで、自分らしい物語を始めてみませんか?
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